マニュアルメンテナンススケジューリング

Ted Davidson – 上級アプリケーションエンジニア、インテリジェント生産システム

はじめに

マニュアルメンテナンススケジューリングは、工場ダッシュボードのバージョン6.6の「今後の保全計画」ページの一部です。これは、すべての予防保守(PM)イベント、定期確認(Quals)、およびその他の予定されたダウンタイムイベント管理のために適用可能なインターフェースです。時間ベースの保全計画と使用量ベースの保全計画の両方を簡単にサポートすることができます。以前のバージョンの「今後の保全計画」ページには、外部システムから提供される既存のイベントのリストが含まれていました。マニュアルメンテナンススケジューリングの開発により、「今後の保全計画」ページで、PMに必要なすべての保全員の配置と、最適なタイミングでのスケジュール設定が可能になっています。

新しい機能および拡張

マニュアルメンテナンススケジューリングによって、既存の「保全計画」ページの価値が大きく改善しました。このページでは、あるイベントが、早い、適時、または遅いかどうかがが詳しく説明され、新しいバージョンでは、資格、部品、および保全員のスケジュールも含まれています。資格のある保全員が正しいPMに取り組んでいることを保証するには、それぞれのイベントの実行に必要な資格を理解することが不可欠です。また、部品表(BOM)を作業に紐づけすることにより、必要な部品が利用できるかどうかが識別され、部品を待っているイベントが存在する場合は、それを強調表示するフラグを表示します。

このアプリケーションは、適切なシフトとスケジュール内に保全員を割付けすることにより、スケジュールのずれとその結果生じる残業時間を最小限に抑えることができます。また、メンテナンス実施時は、INFICONスケジューラーと連携して、対象の装置の前後の時間をブロックして、保全作業を確実に実施するための作業時間を確保します。

管理者は、今後のメンテナンスイベントを、ガントチャートまたは拡張テーブルビューの、2種類のフォーマットで表示することができ、どちらの場合もマニュアルメンテナンススケジュールがサポートされています。

ガントビュー

ガントビューでは、それぞれのPM予定時間が視覚化され、その保全作業の開始可能な時刻、その保全作業の予定時刻、そして所要時間が表示されます(図1)。

図1:開始可能な時刻、PM予定時刻と所要時間、遅延期間が表示されたガントビュー

このビューにはイベントがいつ発生するかの概要が表示されるため、そのスケジュールを細かく調整することができます。

図2では、それぞれのイベント(PMまたはQual)が個別の行に表示され、生産装置ごとに他のイベントと共にグループ化されています。最初の灰色の縦線は、作業開始可能時間を示しています。灰色の長方形は、そのイベントの予定時刻と所要時間を示しています。2番目の縦線は、遅延がいつ開始されるかを示し、その後に赤色の横線が続いています。緑色および黄色の長方形は、そのイベントが予定されている場所を示しています。スケジューリングポップアップウィンドウで可能な項目を下記に示します:

  1. 必要な資格を取得していて、選択したシフトで働いている保全員の選択
  2. 作業時間の割付
  3. 必要な部品が使用可能かどうかの確認

図2:いくつかのイベントとスケジューリング用コントロールが表示されているガントビュー

テーブルビュー

このテーブルビューでは、ガントビューと同様に詳細の情報を多数表示します。従来から使用している表の形式でデータが表示されるため、このビューを使用することにより、複数のイベントをすばやく簡単に編集することができます。それぞれの保全作業は行として表され、すべての保全計画情報が列として表示されます(図3)。

図3:イベントが行として、スケジュールオプションが列として表示されるテーブルビュー

まとめと今後の機能

マニュアルメンテナンススケジューリングは、すべてのPMおよびQualイベントのスケジューリングに適用可能なインターフェースです。すべての予防保守作業を、インタイム、オンタイム、および初回権限で確実に実行することができます。INFICONのヘルプサイトにアクセスでは、マニュアルメンテナンススケジューリングやその他の将来のダッシュボードの機能強化について詳しく掲載しています。工場ダッシュボードの リリースノートとヘルプサイトのページ ご覧ください。