自動部品搬送システム(AMHS)が存在しない一般的な工場では、直接作業に費やされる時間のかなりの部分が仕掛品(WIP)の移動に費やされています。この時間の多くが、対象とするロットの捜索や、移動する必要のないロットの移動など、無駄に消費される可能性があります。FPS NextMoveは、FPS工場スケジューラーなどのシステムからのデータを使用して、工場フロアのオペレーターや部品配送者への適切な指示を行います。NextMoveは、正確な在庫位置の追跡機能とリアルタイムの意思決定により、プロセス内の次の工程へのタイムリーで正確なWIPの搬送を確実にします。
NextMoveに位置追跡情報を提供する最も一般的な方法は、バーコードリーダーを使用してロットの入力を行い、次に、ラックやカートの位置など、そのロットの搬送先を入力することです(図1)。このシーケンスにより、ロットが、搬送先とする物理的な場所を関連付けられます。これは、オペレーターが入力操作を行って、そのロットボックスを適切な場所に正しく配置することに依存する手動操作です。
NextMoveビジョン追跡システム(VTS)は、NextMoveアプリケーション内でロットの位置追跡を自動化する、INFICONのコンピュータービジョンシステムです。これは、ウェーハ棚の前に配置された統合カメラシステムを使用することにより、標準のバーコード位置追跡プロセスに代わって、このプロセスを自動化するためのシステムです。このVTSアプリケーションは、ロットキャリアーに貼付されたSmartMarker™タグを読み取り、そのタグをラックの特定の棚位置に関連付けます(図2)。これにより、オペレーターはある場所にロットを配置するだけで、システム内での場所情報が自動的に更新されます。
オペレーターによるロットの配送と、その場所の自動更新を可能にするNextMove VTSの機能により、機器のセットアップもサポートすることができます。このことによって、オペレーターがプロセス装置にロットを配置して、ロットの追跡と、そのツールへのロットの配置が自動化されている間に、次のタスクに進むことができるようにする方法に取り組んでいます。この機能により、生産設備の搬送待ち時間が短縮され、生産設備でのロットの処理とセットアップの検証が可能になります。弊社のヘルプサイトにアクセスすると、NextMove VTSやその他の将来のNextMoveの機能強化について詳しく掲載しています。NextMoveの リリースノートとヘルプサイトのページ をご覧ください。