ポンプ、冷却装置、ヒーター、および排ガス処理装置などの設備機器は、製造プロセスに直接的な影響を及ぼす可能性があります。設備機器での逸脱の監視は、これまで常にFabGuard® FDCソフトウェアの主要な機能でした。FabGuard バージョン20.12.00において、私たちは以下によってこの機能を大幅に強化しました。
FabGuard設備監視の大きな利点は、工場が各ツール用の設備機器を組み合わせられることです。FabGuardは、機器メーカーを問わず、ひとつの統一されたユーザーディスプレイを備えているため、各メーカー独自の各種の監視ソフトウェアは不要となっています。工場は、FabGuardがサブファブ内の機器の可視化、分析、および制御を行うことが分かっているので、それぞれの製造ツールに最適な機器を購入することに集中できます。
FabGuard Webは、ファブ、グループ、およびツールのレイアウトの可視化を提供します。ユーザーはツールとプロセスの観点から状態を素早く見ることができ、また設備関連の新たな強化により、ユーザーは設備機器の状態も確認できるようになりました。
FabGuardは、以下の3つのタイプの機器に接続することができます。
設備機器の各要素がFabGuardに個別に可視化されます(図1)。
設備機器の各要素はコンポーネントで構成されています。どのコンポーネントが許可されるかは機器のタイプによります。表1に、サポートされているコンポーネントのマトリックスを機器タイプ別に示します。
機器/コンポーネント | メインポンプ | ブースターポンプ | 排ガス処理 |
---|---|---|---|
制御 | X | X | X |
モーター | X | X | |
内蔵式ブースター | X | ||
ゲートバルブ | X | X | |
パージバルブ | X | X | |
バーナー | X |
各コンポーネントは特定の状態を取る場合があります。どの状態が許可されるかはコンポーネントのタイプによります。表2に、各コンポーネントで許可される状態を示します。
コンポーネント | 許可される状態 |
---|---|
制御 | ローカル、リモート |
モーター | オフ、オン(低)、オン |
内蔵式ブースター | オン、オフ |
ゲートバルブ | オフ、オン |
パージバルブ | オフ、オン |
バーナー | オフ、オン(低)、オン(中)、オン(高) |
設備機器、コンポーネントとそれらの状態の設定は、FabGuard取得レシピで行われます。コンポーネントの状態のほか、FabGuardは機器のアラームの存在も追跡します。アラームが存在する場合、インジケーターが設備アイコンに追加されます(図2)。これらのアラーム状態は、機器でアラームが解決されると自動的にクリアされます。さらに、FabGuardは、過去のデータ、ユーザー通知、および機器停止を確認するためのデータベースに設備アラームを追加することができます。
FabGuard設備機能は、サポートしている設備機器の状態に関心のあるプロセス/機器エンジニアだけでなく、設備機器の保守と強化を担当する設備エンジニアも対象としています。設備機器の問題を調査するときは、現在のデータに即座にアクセスできることが重要です。FabGuard Webは、設備機器アイコンにより、あらゆる設備機器からのリアルタイムデータの直接監視を可能にします。
図3に、メインポンプの設備データの例を示します。ディスプレイには、すべての定義済みコンポーネントの状態、すべての機器アラームの状態、およびポンプパラメーターのリアルタイム値が表示されています。この情報は5秒ごとに更新されます。
設備機器の現在の状態を可視化することに加えて、FabGuardはヒューマンマシンインターフェース(HMI)として機能し、機器を制御することもできます。権限のあるユーザーは、各機器コンポーネントをオン/オフすることが可能です。例えば、ユーザーはポンプモーターをオン/オフしたり、ポンプバルブを開閉したりすることができます。
設備機器制御の設定は、FabGuard I/Oサブシステムにおいて、各コンポーネントの状態遷移に使用するコマンドを定義することによって行います。例えば、ポンプがモーターをオン/オフするためのコマンドをサポートしている場合、ユーザーは、各コマンドに対してどのメッセージがポンプに送られるかを設定する2つのI/O設備出力チャンネルを定義することができます。そうすると、FabGuardは必要なコマンドリストを自動的に生成し、FabGuard Webで使用できるようにします。
設備機器コマンドは、安全のため、特定のウェブブラウザから発行される必要があります。コマンドを発行するには、以下の2つのことが必要です。
最初の要件は、プロセス/機器エンジンが設備システムに手動制御を許可していることを保証します。2つ目の要件は、設備機器で作業しているユーザーが、彼らが制御している機器と物理的に同じ場所に配置されることを保証します。
図4に、ポンプメインモーター用に設定されたコマンドの例を示します。ポンプの上方のアイコンは、ポンプがサブファブの制御下にあることを示しています。
FabGuardバージョン20.12.00には、特に設備エンジニアと技術者向けに設計された設備機器の可視化と制御が追加されています。FabGuardの今後の強化では、以下が追加される予定です。
こうした今後の機能により、設備エンジニアと技術者は、一般的な工場フロアのニーズとは関係なく、サブファブのニーズに注力することができます。